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今の時代、マネジメントは確実に難しくなっています。
強く言えば「パワハラ」と言われるかもしれません。
一歩踏み込めば「圧をかけられた」と受け取られるかもしれません。
世の中の流れを盾にして、自分を守ろうとする人もいます。
だからこそ、多くの責任者は無意識のうちに部下との距離を取るようになります。
・関わらない
・期待しない
・深入りしない
それが、一番安全だからです。
しかし、その「安全な選択」は、責任者としては一番危険な選択でもあります。
人と本気で向き合わなければ、マネジメントの経験値は積み上がりません。
衝突しない代わりに、自分の引き出しも増えていきません。
何も起こらないからこそ、自分自身が成長できていないことにも気づけません。
そして、いざ本当に難しい部下と向き合ったとき、自分には驚くほど手札がないことに気づきます。
その瞬間、
「自分はマネジメントに向いていない」
と思い込み、人を育てることを諦め、自分一人で成果を出す働き方へ逃げてしまう。
でも、それは本当にもったいないことです。
マネジメントで一番簡単なのは、誰でも売れる商品を扱うこと

ここで、一つ勘違いしてはいけないことがあります。
マネジメントで一番簡単なのは、誰でも売れる商品を扱うことです。
商品力が圧倒的であれば、営業個人の力量に差があっても、ある程度は売れます。
そうなれば、責任者が一人ひとりに細かく介入する必要もありません。
逆に、売ることが難しい商品ほど、営業個人の力量による差が大きくなります。
なぜ売れないのか。
営業の問題なのか、商品の問題なのか。
顧客理解なのか、提案力なのか、競合なのか。
この複雑な問題を分解し、原因を見つけ、解決することが責任者の仕事になります。
だからこそ、商品の難易度が高い会社ほど、責任者の価値が問われます。
人を見る力。
課題を発見する力。
原因を構造化する力。
解決策を考え、実行する力。
マネジメントとは、人を管理することではありません。
目の前の問題を見つけ、解決し続ける仕事です。
だからこそ、難しい問題から逃げないことが、責任者自身の市場価値を高めていくのだと思います。
「部下を変える」のは簡単。でも、それでは何も変わりません

マネジメントの本には、
「優秀な人に優秀ではない人を任せると疲弊する」
という趣旨のことが書かれていることがあります。
それを読んだ会社は、ジョブローテーションをつくります。
部下を変える。
担当を変える。
配置を変える。
制度としては正しいと思います。
しかし、それで本当にマネジメントの問題は解決しているのでしょうか。
私は、そうは思いません。
それは、課題を先送りしているだけだからです。
だから私は、基本的に簡単には剥がしません。
もちろん、放置もしません。
「頑張ってください」
そんな言葉だけで終わらせることもしません。
どんなアプローチをしたのか。
なぜその方法を選んだのか。
相手はどう受け取ったのか。
そこまで一緒に振り返り、一緒に考えます。
責任者も、一人では育ちません。
だからこそ、伴走します。
マネジメントとは、引き出しを増やし続ける仕事です

多くの人は、一つ目の引き出しを開けます。
うまくいかなければ、二つ目を開けます。
そして、三つ目を開ける前に感情が勝ってしまいます。
「もう、あの人は無理です」
その言葉の裏側には、
「これ以上、自分が傷つきたくない」
という気持ちが隠れていることも多いのではないでしょうか。
でも、マネジメントはそんなに単純ではありません。
五つ目の引き出しを開けたところで、突然噛み合うこともあります。
八つ試しても、うまくいかないこともあります。
その違いを見極められるのは、たくさんの引き出しを増やしてきた人だけです。
経験を積んだ責任者は、一つ目の引き出しを開ける段階で、「この人にはこの方法が合う」と判断できるようになります。
さらに、自分自身が昔苦しんだ景色を思い出しながら、今度は隣で後輩の責任者を育てられるようになります。
それが、本当の成長なのだと思います。
人は変えられない。でも、自分が変われば人は変わります

昔、私自身にも、本当に苦手な上司がいました。
理不尽で、感情的で、視野も狭い。
鬼パワハラで人生単位であんな人は見たことがありません。仕事に厳しいとかの次元ではないです。
周りからも、
「あんな上司で大変ですね」
と言われていました。
普通なら、距離を取ると思います。
転職を考えるかもしれません。
上司の上司に相談するかもしれません。
でも、当時の私は違う問いを立てました。
「この人を、どうやったら一流にできるだろう」
今振り返っても、かなり変わった発想だったと思います。
でも、その問いを持った瞬間から、自分の行動が変わりました。
情報の伝え方を変えました。
立て方を変えました。
相手が成果を出せるように、導線をつくりました。
すると、少しずつ歯車が噛み合い始めました。
この経験から、私は一つのことを確信しました。
「人は変えられない」
この言葉は、半分だけ正しいのです。
自分が変われば、相手は変わります。
そして今、部下と向き合うときも、私は同じ問いを持っています。
「この人は、どうすればもっと輝けるだろう」
「どうすれば、この人の市場価値をもっと高められるだろう」
私は、その問いを持ち続けることこそ、責任者の仕事だと思っています。
AI時代だからこそ、人を動かせる人が価値を持つ

これからの時代、戦略そのものはAIが教えてくれるようになります。
ChatGPTに聞けば、それらしい答えは返ってきます。
しかし、
部下がなぜ悩んでいるのか。
なぜ急に元気がなくなったのか。
なぜ同じ失敗を繰り返すのか。
どうすれば、もう一歩踏み出せるのか。
そこに答えを出せるのは、人です。
AIが進化すればするほど、最後に価値を持つのは、「人を動かせる人間」なのではないでしょうか。
だから私は、マネジメント力こそ、これから最も市場価値の高いスキルの一つになると信じています。
難しい部下は、自分の市場価値を上げてくれる

「部下ガチャ」なんて存在しません。
あるのは、自分自身の成長フェーズです。
私は、難しい部下ほど手放したくありません。
その人を育てられたとき、自分自身のマネジメント力も、確実に一段上へ上がるからです。
もちろん、簡単ではありません。
逃げたくなる日もあります。
心が折れそうになる日もあります。
それでも、その経験だけは誰にも奪われません。
だから私は、責任者にも簡単には逃げさせません。
その代わり、一人で戦わせることもしません。
一緒に悩み、一緒に考え、一緒に勝つ。
それが、私のマネジメントです。
もし将来、
「どこへ行っても通用する市場価値を身につけたい」
そう思うのであれば、私は本気で向き合います。
厳しいことも言います。
逃げ道を用意しないこともあります。
それで離れてしまう人もいるかもしれない。
攻撃してくる人もいるかもしれない。
それでもついて来てくれた人に関しては、必ず市場価値の高い人になれると自分の正義に誓えます。
数年後、
「あのとき、あの環境に飛び込んで良かった」
そう思ってもらえる組織を、私は本気でつくりたいと思っています。
